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長篠堰堤余水吐(ながしのえんていよすいばき)

長篠発電所:明治45年3月、福沢桃介(ふくざわももすけ=福澤諭吉の婿養子)率いる豊橋電気(現在は中部電力)により建設された発電用ダム。

設計は豊橋電気の主任技術者・今西卓。長篠発電書竣工記念碑の裏面には「水車発電機ともにナイヤガラ型と称し本邦にて本発電所を以て使用の嚆矢となす」と記されています。

歴史ある長篠発電所ですが、今も現役で、発電した電力は主としてJR飯田線へ送電されています。

長篠堰堤は、長篠発電所の取水堰堤で、ここで取水した水は導水路で900mほど下流にある長篠発電所に送られて発電に利用されています。

提高8m、提頂長25.4mとダム自体は小規模ですが、日本初の縦軸式発電所(長篠発電所)は本家の名をとって「ナイアガラ式発電」(ナイヤガラ型発電)と呼ばれています。

川がミニナイアガラのように流れ出ている部分が堰堤と錯覚しますが、この部分は余水吐(よすいはけ=越流堤)です。

川の水位が上昇すると、余水吐からも余水がナイアガラ滝のように流れ落ちるのです。(日本旅マガジンから掲載)