中央山岳地帯の西部に位置するリムザン地方は緑と大自然と清潔な天然水に恵まれて、代々の優秀な牧羊農家が、日本の寝具に適した軽くて弾力性のあるウールを産出しています。
この地方の羊毛はバルキー性に富み、クリンプスが強く、繊維が太く、夾雑物が少なく、
寝装品用に適しています。
*バルキー性 =綿のカサ高と圧縮回復の強さ
*クリンプ=羊毛の縮れ、コイル状になっていて自然の弾力性を持ち縮れの間に空気層を
作ります。
(衣料用の羊毛は逆に羊毛の細さ、長さ、柔らかさが求められ、オーストラリアのメリノ種は品種改良によって大柄で全身が毛でおおわれ、細くて長い羊毛が特徴です。産地や羊の品種によって違いが有ります。)
その中からダウンウールを選別、検品、汚れの少ないものを手作業で選びます。
特に寝具として敷いて使いますので繊維強力の確認を充分行います。
ダウンウール:ダウン( ボ リューム )のあるウール繊維のこと
背中・脇腹の毛足が長く、密度の高い、ウール特性が高い部位のみを選別します。
特殊な解毛(開毛)機によって、フェルト化している房を柔らかくほぐし、からみ合った毛の内部に入り込んだ砂や夾雑物を洗う前に軽く除去します。そうすることで、洗浄液(お湯や洗剤)が、房の中までしみ込んで、より綺麗に洗うことができます。
二回洗浄で汚れ、夾雑物を除去し、厳しい金属検査を受けながら、ゆっくりとすすいで中性を
維持します。(Ph調整、油脂分調整、清浄度調整)
(*中性は水道水の様に無害です。 酸性やアルカリ性は身体の皮脂やタンパク質を侵すという特性があります。そのため、中性は酸性やアルカリ性と比べて身体に優しいです。)
羊毛の洗浄廃液は、完全に浄化し再度洗毛水として利用している。
洗浄後の油脂分、不純物の検査
ウールの表面は表皮部分(スケール)と皮膚部分(コルテックス)に分けられます。
ウールの縮み(フェルト化)は、湿った状態で、熱を加える、こすり合わせると表皮部分のスケールと呼ばれるウロコ状の凹凸がからまることで起こります。
縮みを防ぐために表面を削りすぎるとウールの特性が損なわれてしまいます。そのため特殊技術で羊毛の表皮部分スケールを除去し皮膚部分(コルテックス)を残して、通気性のある特殊フィルムでコーティングしています。ウールの特性(吸湿性、放湿性、保温性、スプリング性、フェルト性、抗菌防臭、紫外線からの保護など)を保ってご家庭でお洗濯ができます。
加工が終了したウールは、ウールビン(加工後のウールを落ちつかせる部屋)で24~48時間
置かれ、温度をさまし、ウールが自分の力で呼吸できる自然の状態に戻します。
こうすることでウール本来の機能を損なうことなく日本へ出荷します。
わたを多くの針で刺して形状を安定する技術です。
形状が安定することでウールの吹き出しが少なくなり、洗濯の耐性が強まります。さらにウールの特性が強まり、反発性が強くなります。
このように加工されたウールは、
1.寝装品用に最も適したウールであることを証明するファイングレードウール基準
2.有害な化学物質が含まれていないことを証明するエコテックス®スタンダード100
に適合しています。
寝具の中わた用ウール原料の羊毛の生産からウールわたの加工までを、ファイングレードウールクラブが設定した品質基準(通常の羊毛原料では管理しない、清浄度、pH、油脂分、弾力性などを含めています。)で一貫して管理し、(一財)日本繊維製品品質技術センターが検査を実施しています。
この基準は寝装品用に最も適したウールであることを証明します。
・ウールの特性を保っています。
誤った洗濯・乾燥方法がウールのフェルト性で吹き出し、フェルト化(わたが固まる)、縮みの原因になります。
【お洗濯で濡れた状態のご注意】
・ウールの臭いが強く感じられることがございます。
・ウールわたにかすかに含まれる植物性きょう雑物が見えやすくなります。
しっかりと自然乾燥していただきますと通常にもどります。
ウールは1本の毛が非常に複雑な構造で湿気、空気を奥深くまで吸収します。
ウールの臭いは乾燥しているときはほとんど感じられません。
洗濯時の濡れた状態で、毛の奥深くに本来持っている臭いが出現します。
適切なお洗濯方法をご利用ください。詳しくは>>